渓流釣り08(世附川本谷CR区間)

6:25に自宅を出発するとすぐに雨が降りだす。道路脇には菜の花が咲いていて春が来ていることを告げている。

松田町で雨が激しさを増し、道の駅山北周辺では満開に咲き誇る河津桜を楽しんで、8:06に浅瀬に到着する。先行車は2台だ。

8:20に漁協の事務所に入った頃から雨足が強まってきたので、しばらくコーヒーを飲みながら自作ルアーを見てもらい雨宿りする。I監視員が昔使っていたというルアーを見せてくれたが、真ん中を切り起こしてリップにしたスプーン、2ピースの細い曲がった板が絡み合ったルアー、長さが2cmなのに肉厚が1.5mmもあるスプーン等面白い製品がたくさんあった。実釣を重ねると、ある特殊な環境に適合した特異な形状のルアーを作りたくなるものらしい。

今日の釣り人は大又沢にプロのフライマンが2人だけで、カメラマンと3人で入渓しているらしい。

9:00頃から土砂降りの雨になり、天気図をネットで調べてもらうともうすぐ分厚い雲が抜けて行きそうだというのでしばらく待っていると,小降りになってきたので、9:27に事務所を出発する。便利な世の中になってきたものだ。

林道を少し歩いて、9:38に#6の入渓路から入渓する。気温9℃、水温8℃で小雨が降り続いている。増水は少ないが濁りはかなり厳しくなってきていて、ウエーダーのブーツの深さで底石が見えないので、慎重に渓流の中を進む。

濁りが入ったときには、魚の視界が悪くなるので、音でも魚の興味を引きつけるスピナーが良いとI監視員からアドバイスを受けて、φ24mm2枚ブレードプロペラスピナーゴールド玉オモリ1.9gを最初のルアーに結んである。 

増水で水流の白泡立ちが増し、流れの流速が速くなっているので、右岸から樹木が張り出し、落込みが連続する#6の瀬は源流釣りの練習にとても良い場所だ。スピナーが狙った落ち込みのソデに落ち、水流の脇をうまく引いている積りだが、魚が待機している筋と違っているらしく、魚信が来ない。濁りのために魚影が全く見えないので、今日釣れなければ魚の居場所が分かっていないということになる。

10:07に#7入渓路の最初の巨岩の大淵。スピナーを5回キャストして淵の全面に走らせたが何も当たりらしきものが来ないので、10:10にプリスプーンゴールドホロ貼りオレンジマニュキュア左右塗装3.2gにルアーを替える。濁りが厳しい水面なのに、スプーンがキラキラ輝いて見えるので、かなり浅いところを走っているようだ。リーリングが速すぎるのかもしれないが、水流よりも速く走らせないとスプーンは踊ってくれない。

10:14にダイビングミノー4.0cm、2.8gイワシカラーに替えて底を走らせる。全くミノーが見えないので、トゥイッチングをしても空しい。魚影が見えず、ルアーも見えない渓流で、キャストを繰り返しても魚信もこない。

増水していたので第2の巨岩の大淵をパスし、河原を歩いて、林道側にある曲がった大淵へ向かう。大淵の右岸の河原への渡渉は普段は水深30cmの浅いところを進むのだが、今日は濁りが厳しく全く水深が分からない。底石が見えないので足の感覚だけが頼りになる。こういう場合は深くても底が砂の場所を横断した方が転ぶ危険が減って安全なのだ。股下に近い深さの砂場を通って右岸に10:22に着く。

魚影は見えないが、いつも林道側の岩壁の下に行列しているので、左岸に向かってミノーをキャストし、斜めに手前までリーリングしてくる。同じ隊列ならミノーが魚と出合う確率はかなり低いが仕方が無い。

10:30にハスルアー3.3cm、2.5gゴールドホロ貼りに替えたが反応は無い。流れ込みの曲がった淵、広いトロ場にキャストをしてルアーをリトリーブするが、魚の待機位置から30cm離れたら見えなくなってしまうので、見付かる確率はかなり低い。

10:40に#8入渓路前のトロ場への渡り戻し。普段は足首までしか水深が無い底石が積み重なった場所を渡るのだが、ここも股下まで水深がある砂底の場所を選んで慎重に渡渉する。

10:50に連続する瀬へ進む石積みの場所の通過が危険なので、左岸の岩壁際を腰まで浸かりながら越す。普段水溜まりになっている場所なので、思わぬ水深の深さにびっくりする。

10:55から#8の大トロ場。広大な泥水の海になってしまっており、どこが水流の筋なのかも分からない。φ24mm2枚ブレードプロペラスピナー2.8g植毛バスシンカーにルアーを替えてキャストを繰り返したが全く反応は無かった。

11:00に#8の曲がった大淵への渡渉。ここは普段でも底石を選んで横断している場所なので、底石が見えないと渡渉は苦しい。(写真1)手前の浮き石に手を置き足で底石を探りながらそろそろ進む。体重を移動しようとしたときに底石が少し動いてバランスが崩れヒヤッとするがなんとか右岸に渡る。

#8の曲がった大淵でも反応が無い。11:16に#9の大淵でも反応無し。

11:20に#9の瀬を渡渉する。(写真2)泥水で底石が全く見えなくなると、この場所での渡渉はとても危険であった。増水はそれほど多くないので水深が浅い場所を探せれば良いのだが、簡単にはルートが見付けられない。転倒しないように浮き石が多い、水流が少し激しい場所を選び、手もしっかり使って渡ったが、泥水のような状態では、渓流を渡渉すべきでは無いと反省したのである。

11:30に堰堤のプールにキャストして、11:35に納竿して、11:55に休憩所に戻って昼食休憩する。雨はほとんど止んでおり、空が明るくなってきている。

12:35に午後の部を事務所前のプールで開始する。濁りは少し薄くなり気温が上がって暖かくなってきた感じがする。温度計で測ると気温13℃、水温8℃であった。雨は上がっている。ウィローリーフスプーン4.0cm、3.0g赤/ゴールドホロ貼りを結んでキャストする。

魚信が無いまま、遡行を続けていると、ラインがスプールの途中から飛び出すトラブルがあり、かなり絡み合ってしまったので、PEラインを思い切って切ってしまったら、スプールに少ししか巻き付けていなかったので、ラインが短くなってしまった。4LBのナイロンラインを40mほど追加して、久しぶりにナイロンラインでのキャスティングを味わうことになったが、大分雰囲気が異なっているような感じがした。

13:30~13:40まで#1のプールでも魚信が無いので、林道を歩いて進み、14:03に#4の入渓路から再入渓する。

キャストを続けていると漁場パトロールをしていたI監視員が下りてきて、色々アドバイスをしてくれる。ここは浮き石の裏ごとにイワナが隠れている場所なので、今日釣れるならここだろうと期待していた場所なのである。途中でルアーをブレットンスピナー3.0gに替えて14:20まで粘ってみたのだが、最後まで当たりは来なかった。

ルアーが落ちている場所も、リトリーブしてくるコースも悪くは無いと思うのだが、濁りが厳しい場合はより正確に魚に近い所を通過しないと喰い付いてくれないということなのだろう。平水の時は、魚が遠くを走るルアーを見付け、追いかけて飛び付いてくれるのだが、濁水では遠くを走るルアーを見付けられないのだ。

14:30に#7の入渓路から巨岩の淵に入渓する。僅かな時間しか経っていないのに、泥水のような濁りがかなり薄れてきているが、魚の反応は無かった。

14:45から2番目の巨岩の淵でスピナーを岩に掛けて無くし、プリスプーン3.3cm、2.4g緑カラーに替えるが反応が無い。増水がたいしたことが無くても、濁りが厳しい場合は、淵の中に入ってルアーを回収に行けないし、上流側へ廻るのも難しいのでルアーを諦めざるを得ない。

14:50に#7の曲がった大淵への右岸への渡渉。濁りが少し薄れてきて、底石が見えるようになってきているので、何の問題も無く簡単に通過する。水量よりも、濁りの方が渡渉には影響が大きいのだ。

#7の曲がった大淵。気温17℃、水温9℃。水蒸気が立ち上って行く。緑では反応が無いので、プリスプーン3.3cm、3.2gゴールドホロ貼り、両側オレンジマニュキュア塗りにルアーを替えるが、魚信は無かった。

15:12に#8の入渓路前の大トロ場への渡渉も濁りが薄れて簡単に出来るようになっている。

15:18に右岸から樹木が張り出す連続落込み帯で、プリスプーンを落ち込みの中に巻き込まれて失くす。フローティングミノー2.8cm、1.7g緑/銀カラーにルアーを替えるが、白泡立ちの流れが速い瀬でミノーをしっかりリトリーブするのが難しいので、すぐにハスルアー大4.0cm、4.5gゴールドホロ貼りに替える。

15:30から#8の大トロ場。泥水だった午前中に比べ、濁りがきついという感じにまで薄くなってきている。φ24mm2枚ブレードプロペラスピナー1.9gゴールド玉オモリにルアーを替えると、初めて魚が追いかけてくる姿が見えたが、1回だけであった。

15:38に#8の曲がった大淵への渡渉も、底石がはっきり見えてきていたので簡単であった。15:45に落ち込みにスピナーを落としてリトリーブすると手元まで追いかけてきたニジマスが、初めてガツンと喰い付いたが、すぐにバレる。15:50にダイビングミノー4.0cm、2.4gヤマメカラーに替えて淵底を引いてみたが、追加の当たりは来なかった。

15:56に#9の左岸岩壁の大淵。落ち込みの付近からミノーを淵底近くを引いてくると、ヤマメが追いかけてくるのが見えたが、途中で引き返してしまった。当たりが無くても魚が追いかけるのが見えるだけでも楽しい気分になるのだ。

16:10に#9の入渓路前の瀬では魚影が見えず、魚信も無く、濁りが薄くなってきたので底石が良く見えて林道側への渡渉が楽に出来る。16:17から堰堤下流のプールを探ってみたが、魚信が無いので、16:24に最後にφ24mm2枚ブレードプロペラスピナー1.9gゴールド玉オモリにルアーを替えて、右岸の大石廻りの深みの底を探ってみたが、反応が無いので、16:28に納竿にした。

林道を歩きながら様子を見ると、濁りがさらに薄くなり、後2時間で絶好の笹濁りになりそうな感じであった。16:52に事務所に戻り、I監視員と少し話をする。濁りの厳しい渓流でのルアー釣りには全く歯が立たなかったが、釣りの奥義は深いのである。17:20に浅瀬を出発して、19:12に自宅に着いた。

昨年は9月22日に雨で濁りの入った樅の木沢でルアーで魚が釣れなかったので、その後は禁漁まで餌釣りに復帰してしまったのだが、今年の渓流釣りスタイルをどうしようかと考えている。3月の中旬までは水温が低く、沢床に魚が沈んでいるのでルアーで釣行し、暖かくなってきたら、ドライでフライ釣行するのを基本に、雨が降って濁りが入ったら何時でもミミズの餌釣りができるように準備しておくのが良いのかもしれない。

今度の日曜日が解禁日で、いよいよ来週から今年の渓流釣りが始まる。元気なうちは西丹沢を渓流探訪し、色々なスタイルの釣りと自然を楽しもうと思っている。 

01茶色に濁った#8の大淵09-2-25 02茶色に濁った#9入渓路前の瀬09-2-25

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